Q.「金型」って何ですか?
私達の身の回りにある家電・自動車・携帯電話などを製造するためには、金型はなくてはならないものです。
例えば、カメラ。新製品のカメラを製造する過程を考えてみましょう。
- 新しいカメラの形をデザイン・設計します。
- 試作品を製作し、新しいカメラの形が決定。
- さて、同じ形のカメラを大量に製造するには?
同じ形を大量に製造するには、型を使用します。鯛焼きやクッキーを作るとき、型に生地を流しいれたり、生地を型で抜いたりしますね。それと同じです。
工業製品の製造に使われる型は金属で作られているので、金属でできた型を「金型(かながた)」といいます。
金型にアルミ、マグネシウムなどの合金や、プラスチックなどを鋳造したり、プレスすることで、大量に同じ形の工業製品を作ることができます。
- 鯛焼きを作るための型となるのが、鯛焼器。カメラの部品を作るための型は金型。
- 鯛焼の場合は中に生地と餡を入れますが、カメラを作る場合は、プラスチックや合金などを鋳造します。
鋳造したばかりのカメラの部品 - 1個の型からたくさんの鯛焼きが作れるように、ひとつの金型からたくさんのカメラの部品ができます。
塗装して組み立てたカメラ本体
カメラなどの工業製品は複雑な形をしていて、たくさんの精密な部品を組み合わせて作られているので、各部品ごとに金型が必要です。ひとつでも金型の形が狂っていると、その金型から出来上がってくる部品の形も正確なものではなくなり、組み立てることができなくなってしまうので、より、正確で精密な金型が求められています。
Q.「金型」は何から作られていますか?
金型は鋳鉄やモリブデン-タングステン等で構成されているダイス鋼と呼ばれる金属などでできています。
滑らかな部分、土台となる部分、精密さを要求される部分、丈夫さを要求される部分、それぞれ使用する素材も変わります。金型のどの部分にどのような材料を使用するのか、弊社では豊富な経験に基づいて最適な素材を使用して製作しています。
Q.「金型」を作るためにはどんな道具や機械を使いますか?
金型の製作は、まず、工業製品の出来上がりのデザインや設計図を基に、金型の形を設計することから始まります。
金型の設計にはCAD(Computer Aided Design・Computer Assisted Drafting)というコンピューターによる設計支援ツールを使用します。
CADは機械製図の他にも建築用CADや土木用CADなどさまざまな用途に使用されています。
また、CADで作成された設計データはCAM(Computer Aided Manufacturing)というシステムによって、入力データとして、加工用のNCプログラム作成などの生産準備全般をコンピュータ上で行い、ダイレクトに切削工具を動かすことができます。
- コンピューター室。
CADのためのコンピューターが並ぶ。 - CADを使って、金型を設計
そして、設計図に基づいて、金属やグラファイトを加工するには、金属を削って形にするための「切削」に使う切削機として、NC・SNC加工機やフライス盤を使用します。また、削った金属を滑らかに仕上げるための「研磨」に使う機械など、各工程で色々な機械を使用します。
- 金属やグラファイトを切削するためのNC加工機
- 切削刃。用途に合わせて大きさや形も色々。
- グラファイトを切削しているところ
- 機械だけではなく、細部の仕上げは人の手でおこなう。